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私の想い(父の遺言書)

父が天国に旅立ってから今年13回忌を迎えます。

私が遺言の大切さを肌で感じたのは、父が遺言を書いたことでした。

 

父は癌を患い、余命宣告を受けており、自分の命が長くないことを悟っていました。

そして、病室のベッドに横たわって私に言いました。

 

父「■■(父の郷里)の土地を●●(家を継いでくれている父の兄の長男で、父の甥)に譲りたいけど、どうかな?」

私「賛成よ」

 

■■の土地は父が相続で受け取った土地でした。

まあまあ土地を多く所有している家系で、ほとんどは家を継いでいる父の兄が相続で受け取ったのですが、祖母は東京に出ていた父がいつか故郷に戻ってきたときに家を建てることができるようにと思って、一部を父の名義にしてくれたのです。

 

私が賛成の返事をしたので

 

父「よかった。お母さんと△△(私の妹)も賛成してくれたので、これでお父さんは安心して死ねるわ。」

私「いやいや、お父さん、まだまだ安心しちゃいけないよ。●●兄ちゃんはおとうさんの相続人じゃないので、お父さんが遺言を書かないと、あの土地はお兄ちゃんのものにならないのよ。」

 

と、父に遺言を書くように勧めました。父は同意し、体力が弱っていたものの、翌日私が病室に持っていった見本を見ながら、1字1字丁寧に遺言を書きました。

 

遺言は、■■の土地は●●に遺贈する。それ以外の財産はすべて妻〇〇に相続させるという内容で、あわせて、付言事項として遺言者の思いを父の言葉で書きました。

 

●●、家を守ってくれてありがとう。そして先祖代々のお墓に入ることを提案してくれてありがとう(父と母は私と妹がお嫁に行ったこともあり、新しくお墓を作ることをせず、次男だけど、家を継いだ長男とその妻だけが入る先祖代々のお墓に入って、お兄ちゃんが守り続けてくれることになっていたので、)と、感謝の言葉とともに、■■の土地を受け取ってもらいたく、この遺言を書いた、と。

父は●●お兄ちゃんに■■の土地を渡すことができることになって、そして遺言に感謝の言葉を書き記したことによって、本当に安堵した様子でした。

 

それからまもなく。1週間後に父は天国に旅立ちました。

 

父が遺してくれた遺言書は、自筆遺言証書の規定通り、全文を父が自書し、日付を書き、印鑑を押し、そして日付と遺言書と書いた封筒に入れて遺言書に押された印で封緘されていて、葬儀などもろもろの用事が落ち着いたときに、母と妹と私と3人で家庭裁判所へ行き、検認の手続きを受けました。

その遺言書のおかげで、銀行口座や株の名義の書き換えも、不動産の相続登記も、スムーズに行われました。

 

父が遺言書を遺してくれたことは、父本人も安心し、家族間のトラブルもなく、その後の手続きもいろいろうまく運び、ありがたかったなぁと実感した経験でした。

 

父の13回忌は、父が眠るお墓がある故郷のお寺で、母、妹の家族。私の家族、そして私の従兄姉家族も参加してくれて父を偲んで法要を営みます。

 

さて、私が仕事上協力している弁護士が依頼を受けている相続の中には、遺言を書いておけばよかったのに、と思われる話が多くあります。

家族が争うことになるのは本当に辛いことです。

争いを防ぐためにも、そして何より、あなたが築いた財産を、愛をこめて大切な人に遺すためにも、遺言を書いておかれることをお勧めしています。

 

《争いを起こさない遺言》《愛を遺す遺言》を書くためには、相続・遺言に対する知識、金融資産に対する知識、不動産に対する知識、相続税をはじめとする税金に対する知識、など広い知識が必要です。

 

といっても、公証人役場も弁護士事務所も、扉をノックするのはハードルが高いことでしょう。

私はFP1級の知識と64年の人生経験で、お話を伺いアドバイスさせていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください。

 

また遺言セミナーを定期的に開催しておりますので、ご参加くださいませ。